不要になった家具や家電の処分に困っている時に、「無料で回収します」と言われたらつい利用したくなってしまいますよね。しかし、廃品回収は本当に無料なのでしょうか。廃品回収の実態や無料になる仕組み・理由もほぼ知られていないのが現実です。
当記事では、廃品回収とは何かと無料回収できる理由について解説します。結論からお伝えすると、「無料」の響きはとても魅力的ですが、廃品回収で不用品を処分することはおすすめできません。
怪しい廃品回収業者の特徴や、実際に廃品回収を利用した方のトラブル事例も併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
そもそも廃品回収とは？不用品回収との違いを解説
「廃品回収」の言葉に明確な定義はありませんが、一般的には再生することを目的に廃品を回収する行為を指します。「不用品回収」の言葉との間に明確な違いはありませんが、環境省により、現在は「不用品回収」の呼び方で統一されています。
ただし、廃品回収と不用品回収では厳密にいうと対象物が異なります。
| 言葉 | 対象 | 具体的な対象物 |
| 廃品回収 | 換金できる物 | 古紙・ダンボール・缶・瓶・動作確認できる家電など |
| 不用品回収 | 所有者が要らない物（換金の有無を問わない） | 家庭で排出される物全般（廃品回収の対象品目を含む） |
本来は子ども会や町内会、学区内の各団体がリサイクル可能で換金できる物（新聞紙や古布等）を回収することを意味していましたが、近年は違法な廃品回収事業者が散見されています。
廃品回収が無料なのはなぜ？無料になる理由を解説
民間事業者が不用品を回収する際は費用が発生します。廃品回収が無料なのは「売れる物だけ回収し、違法な手段で転売しているから」に他なりません。
無料回収を謳った事業者は無認可で営業していることが多く、回収後のトラブル事例が多数報告されている実態があります。
「無料回収」は嘘？怪しい廃品回収業者の特徴3つ
怪しい廃品回収業者には以下の3つの特徴があります。安易に依頼したり、回収後のトラブルに巻き込まれたりしないよう、見分け方を押さえておきましょう。
ポストに無料回収のチラシを投函する
事業所の所在地やホームページの記載が一切なく（携帯番号の連絡先のみ）、「〇月〇日、△時～△時に無料回収します」「家の前に出しておいてください」といった内容のチラシをポストに投函します。例えば以下のようなチラシです。
画像引用元：松戸市 廃棄物対策課の公式Twitter
「無料かつ自宅前までの運び出しで済むため出しておいたところ、回収日になっても回収されなかった」「後日知らない人から連絡が来た」といったトラブル事例が報告されています。
スピーカーで無料回収を謳って巡回する
「ご不要になった家具・家電を無料で回収いたします」などとスピーカーで流しながら、町内を軽トラックで巡回します。実際には回収料が無料なだけで、運送料やリサイクル料を請求された、キャンセルしようとしたところ暴言を吐かれた、などのトラブル事例が報告されています。
軽トラックに社名の記載がない
軽トラックに社名の無い事業者は拠点を持っていない可能性が高いです。そもそも不用品回収業者は拠点が無いと認可を受けることができません。
また、店舗がある事業者であれば、事前に問い合わせをし、見積書を書面で受け取れる場合が多いです。しかし、移動式の業者だとなかなか電話がつながらなかったり、設備が整っていなかったりで、見積書を作成してもらうのが難しいケースがあります。
そのため、万が一高額請求になっても支払い額を証明できず、結果として泣き寝入りするしかなくなります。
無料の廃品回収は絶対に利用NG！理由3つ
無料回収を謳った廃品回収が危険な理由は以下の3つです。出費のかさむ引越し時期などには「無料」の響きがとても魅力的に聞こえるかもしれませんが、絶対に利用しないようにしましょう。
年間実績10,000件のラクエコでは、廃品回収のプロに安心してご依頼可能なのでそちらもご検討ください。
古物商許可なく営業している業者が多い
無料回収をウリにしている廃品回収業者は、古物営業をするために必要な「古物商許可」を持たずに営業している可能性が高いです。古物商許可は各都道府県の公安委員会のホームページから番号を確認できます。
事業所のホームページやチラシに許可番号を記載していても、虚偽の番号を記載しているかもしれません。念のため、番号を控えて調べてみてもよいでしょう。
回収後に不法投棄される危険性がある
違法な廃品回収業者を利用すると、回収物が正規ではない闇ルートで売買されたり、最終的に売れなければ不法投棄されたりする可能性があります。もちろん不法投棄は法律により禁止されており、罰則も定められていますが、警察や自治体も投棄者を特定することは難しいのが現状です。
個人情報が流出する危険性もある
無料回収の対象品目のなかには、パソコンやタブレットなども含まれます。適切にデータを消去しておかないと、個人情報が残ったまま回収され、下記のようなデータが流出する危険性もあります。
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 顔写真
- クレジットカード番号 など
ゴミ箱に捨てたとしても、データは消えていません。見かけ上は存在しませんが、データ削除やフォーマットの初期化を行ってもハードディスクにはデータが残っており、データ復活ツールで復活できる場合があります。
確実に消去するには「物理的に破壊する」「データ消去ソフトで消去する」「磁気で消去する」の3つの方法があります。家電量販店のなかには「データ消去サービス」を提供しているところもあります。
廃品回収にまつわるトラブル事例まとめ
廃品回収を実際に利用した方のトラブル事例を紹介します。国民生活センターの報告によると、2021年度には不用品回収サービスに関する相談件数は2,000件を超えました。安易に依頼せず、適切な方法で不用品を処分しましょう。
参考：国民生活センター「違法事業者によるトラブル件数の推移」
ケース①：「無料廃品回収が軽トラで回ってきますが､不用家電の引き取りお願いしたら無料と案内していたのに2000円を請求されました｡苦情を言ったら暴言を吐かれました｡」（参考：Yahoo!知恵袋）
ケース②：「廃品回収業者に不要バイクを引き取ってもらい、廃車手続きをしました。後日電話が来て、やはり乗ることになったので廃車証を提出するように言われました。廃車すると言って回収したのに、おそらく第三者に譲渡して代金を受け取っていることは違法ではないのでしょうか？業者も支所もいい加減で、納得いきません」（参考：Yahoo!知恵袋）
ケース③：「廃品回収の軽トラが段ボールをドサっと家の横の道に落としていきました。次の日廃品回収の軽トラに声をかけたら、「段ボールは受け取らない」「知らない」と止まりもせず去っていきました。」（参考：Yahoo!知恵袋）
廃品回収業者は利益を得るために手段を選ばないケースが多いです。威圧的な態度でキャンセルを阻止しようとすることもあります。
また、勝手に人の敷地内に段ボールを置いていったり、大音量のスピーカーがうるさかったりと、近隣住民が被害を被っているケースもあります。
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